【第1回】トレンド分析 ~ファッションビジネス実践マーケティング~

【第1回】トレンド分析 ~ファッションビジネス実践マーケティング~

この連載では「ファッションビジネス実践マーケティング」と題し、商品企画・売場開発のための「4つのトレンド」や、ブランド・売場運営のためのマーケティング手法について、Kuriyama R&D Office のノウハウの一部をご紹介します。
連載は全18回を予定しており、ファッションビジネスにおけるマーケティングについて分かりやすく解説します。各連載は文章・画像での解説に加え、より詳しい内容を解説した動画も掲載しますので、ぜひご覧ください。

ファッションビジネス実践マーケティング
01: トレンド分析
02: メガトレンド
03: ジェネラルトレンド
04: コレクショントレンド(準備中)
05: ショップリサーチ(準備中)
06: フィールドマーケティング(準備中)
07: アンケート調査(準備中)
08: グループインタビュー(準備中)
09: オープンデータ(準備中)
10: ブランドポジショニングマップ(準備中)
11: 顧客プロファイル(準備中)
12: 顧客分類(準備中)
13: バリューバランス(準備中)
14: 3C分析(準備中)
15: SWOT分析(準備中)
16: マーケティングの4P(準備中)
17: 商品ライフサイクル(準備中)
18: 顧客年齢とブランド運営(準備中)

4つのトレンド
第1回はファッションビジネスにおけるトレンド分析についてご紹介します。Kuriyama R&D Officeではファッションビジネスにおけるトレンドを「メガトレンド」「ジェネラルトレンド」「コレクショントレンド」「マーケットトレンド」の4つに分類しています。
それぞれの詳細は次回以降に取り扱いますが、その前段階として、今回はそれぞれの関係性について解説します。

ファッションビジネスにおいて商品開発・売場開発を行う際は、必要な時期に情報を収集・分析し、目的に応じて活用することが極めて重要となります。当社ではその中でも特に重要な情報を「4つのトレンド」と定義しており、それぞれ下記のような情報となっています。

メガトレンド(マクロトレンド)
社会的な潮流・環境・市場がいまどのように変化しているのかという情報であり、すべてのトレンドの始まりにもなる大きな流れを指します。これらの社会的な変化は少なからず人々の価値観の形成に影響しており、その価値観の変化は消費者がどのようなライフスタイル・ファッションを選択するかということにも影響を与えます。
その変化を捉え、いまの消費者の価値観にあった商品や売場などを提案していくことは非常に重要な要素であり、メガトレンドを把握することがファッションビジネスのスタートとなります。

ジェネラルトレンド
メガトレンドに基づいたシーズン別のファッションテーマとなる情報で、「情報誌(トレンドブック)」「ヤーン・テキスタイルの展示会」「ウェブ情報」などが存在します。
「情報誌(トレンドブック)」とは、対象シーズンの1年~1年半前という早い段階で提供される、主にヨーロッパを中心に制作・販売されるトレンド情報であり、代表的なものとしてはプロモスティルやぺクレールなどが挙げられます。
「ヤーン・テキスタイルの展示会」は主に対象シーズンの1年前に開催される糸や素材の国際的な展示会であり、パリのプルミエールヴィジョン、フィレンツェのピッティフィラーティなど、各地で様々な展示会が開催されています。
「ウェブ情報」はWGSNやTrendstopなどのWEBサイト上で提供されるトレンド情報です。
ジェネラルトレンドは消費者の価値観がどのように変化しているかというメガトレンドに基づいて提案されており、いまの価値観に求められるファッションの要素を表現したものとも言え、国内のアパレルメーカーやリテーラーでもシーズンの企画・開発などを行う際の資料として使用するケースが多く見られます。

コレクショントレンド
ニューヨーク・ロンドン・ミラノ・パリの4大コレクションにおけるトレンドであり、対象シーズンのコレクションの特徴や傾向とも言えます。各コレクションにおいて、特定のテーマやカラー、アイテムなどの出現率が突然高くなり注目されることが多々ありますが、これらの傾向は突然生まれる訳ではありません。
コレクションで発表を行う各ブランド・メゾン・クリエイター等も前述のジェネラルトレンドを参考にする場合が多く、そのジェネラルトレンドは同じメガトレンドに基づいて提案されたものであるため、ブランド・メゾン・クリエイターによって解釈や表現の仕方は異なれど、結果としてある程度の共通性が生まれます。
その共通性が結果としてコレクションでのトレンドとして出現するため、メガトレンドを起点とした流れを把握しておくことはコレクションの情報を最大限に活用する上で非常に重要な要素となります。

マーケットトレンド
最も重要なトレンドとも言えるもので、Kuriyama R&D Officeではこのマーケットトレンドを「ファッションマーケティング」と「生活者動向」の2つに分類しています。
さらにファッションマーケティングは「フィールドマーケティング」「ショップリサーチ」「グループインタビュー」「アンケート調査」「オープンデータ」の5つに細分化されます。これらはジェネラルトレンドやコレクショントレンドを受けて、実際にマーケットでどのような売場や商品が提案され、どのように消費者に利用・着用されているかを把握するものであり、それぞれの手法を理解して情報の収集や分析を行うことは、消費者の価値観に沿った提案を行うための極めて重要な工程となります。
「生活者動向」も消費者を知るための情報の一つで、こちらは年齢や世代、ライフステージ、ライフシーンなどで消費者をグループ化し、各グループの人たちがどのような共通の価値観を持っているかを探るというものです。例えば年齢や世代の場合、同じ頃に生まれた人たちは成長の過程において同じような社会的な経験を積んでおり、結果としてライフスタイルやファッションにおける価値観にも一定の共通性が存在する傾向にあるため、それらの共通性を把握します。

まとめ
このように「4つのトレンド」は常に結びつきながら変化を続けているため、これらの情報を絶えず収集して分析することが、消費者のニーズを反映した売場・商品開発の実現に繋げるための重要なポイントとなります。
今回は「4つのトレンド」の関係性や概要の紹介までとなりますが、次回からはそれぞれのトレンドについて更に詳しく解説しますので、ぜひそちらもご覧ください。

動画での解説
以下の動画にて、今回の内容をより詳しく解説しています。
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ファッションビジネス実践マーケティング
01: トレンド分析
02: メガトレンド
03: ジェネラルトレンド
04: コレクショントレンド(準備中)
05: ショップリサーチ(準備中)
06: フィールドマーケティング(準備中)
07: アンケート調査(準備中)
08: グループインタビュー(準備中)
09: オープンデータ(準備中)
10: ブランドポジショニングマップ(準備中)
11: 顧客プロファイル(準備中)
12: 顧客分類(準備中)
13: バリューバランス(準備中)
14: 3C分析(準備中)
15: SWOT分析(準備中)
16: マーケティングの4P(準備中)
17: 商品ライフサイクル(準備中)
18: 顧客年齢とブランド運営(準備中)