【第2回】メガトレンド ~ファッションビジネス実践マーケティング~

【第2回】メガトレンド ~ファッションビジネス実践マーケティング~

この連載では「ファッションビジネス実践マーケティング」と題し、商品企画・売場開発のための「4つのトレンド」や、ブランド・売場運営のためのマーケティング手法について、Kuriyama R&D Office のノウハウの一部をご紹介します。
連載は全18回を予定しており、ファッションビジネスにおけるマーケティングについて分かりやすく解説します。各連載は文章・画像での解説に加え、より詳しい内容を解説した動画も掲載しますので、ぜひご覧ください。

ファッションビジネス実践マーケティング
01: トレンド分析
02: メガトレンド
03: ジェネラルトレンド
04: コレクショントレンド(準備中)
05: ショップリサーチ(準備中)
06: フィールドマーケティング(準備中)
07: アンケート調査(準備中)
08: グループインタビュー(準備中)
09: オープンデータ(準備中)
10: ブランドポジショニングマップ(準備中)
11: 顧客プロファイル(準備中)
12: 顧客分類(準備中)
13: バリューバランス(準備中)
14: 3C分析(準備中)
15: SWOT分析(準備中)
16: マーケティングの4P(準備中)
17: 商品ライフサイクル(準備中)
18: 顧客年齢とブランド運営(準備中)

メガトレンド
前回の講座、第1回「トレンド分析」ではメガトレンド・ジェネラルトレンド・コレクショントレンド・マーケットトレンドという「4つのトレンド」の概要についてご紹介しました。第2回となる今回は、その中から「メガトレンド」について詳しく解説します。

メガトレンドとはマクロトレンドとも呼ばれる大きなトレンドであり、「国際社会の変化・潮流」や「社会・環境・マーケットの変化」などから生まれます。これらは少なからず「生活者の心理・マインドの変化(=生活者の“気分”)」に影響を与えるため、その変化に対してどのようなファッションを提案すべきかを考えることは非常に重要な要素となります。また前回紹介したジェネラルトレンドを理解するにあたっても、このメガトレンドの把握が欠かせません。

キーワード事例
社会やマーケットには常に様々な変化が起きており、その変化によってそれぞれの生活者に起こる心理・マインドの変化も多種多様ですが、全体を捉えればいくつかの傾向が存在し、それらをキーワードに置き換えることができます。
上記画像に「メガトレンドを構成するキーワード事例」として比較的頻繁に出現するキーワードを記載していますが、例えば「環境問題」であれば地球温暖化や近年注目されているSDGs(持続可能な開発目標)などがキーワードを構成する要素として挙げられます。「経済状況」も重要であり、現在の経済状況だけでなく将来的に経済がどう動くかということも生活者の心理・マインドに大きな影響を与えます。
このようなキーワードに代表されるメガトレンドの変化を理解することは、最終的には売場でどのような商品が売れるかを考えることに繋がります。そのため、世界で、日本で、私たち生活者の周辺でいま何が起こっているのか、そしてそれが私たちの心理・マインドにどのような影響を及ぼすかを常に考え続けることが求められます。

メガトレンドとファッショントレンドの関係性
では、実際にメガトレンドとファッショントレンドはどのように結び付いているのか、過去資料の「Next Trend Close Up 2020」からご紹介します(本投稿の最後にこの資料の解説動画も掲載していますのでぜひ併せてご覧ください)。
この資料はメガトレンドを6つのテーマに分類し、それらとファッショントレンドがどのように関係しているか、言い換えれば現在のファッショントレンドの背景にはどのようなメガトレンドが存在するかを考察したものとなっています。

上記画像は環境問題に対する意識を起点とした「サスティナブル、エコロジー、エシカルの具現化と自然界との共存」というメガトレンドのテーマを取り扱ったページとなっており、そのテーマが背景にあると考えられるファッショントレンドを記載しています。
新型コロナウイルスの影響がなければ2020年のメイントレンドはこのサスティナブル(持続可能な)、エコロジー、エシカル(人々や社会、地球環境に配慮した)をどのように表現するかというものになっていた可能性が高く、現代の価値観と密接に結び付いたテーマであると考えられ、実際にそれらを背景としたものと思われるファッショントレンドも多々存在します。
その一つが「動物保護の観点」というもので、自然環境を守っていくこと、そしてそこに生息する動物たちを守っていくということが世界的に大きなテーマとなっています。ファッションの分野でもゼブラ柄やレオパード柄などのアニマルプリント、フェイクレザーの活用など、自然環境や動物に関連した提案が増えており、この流れは2021年にも継続していくのではないかと思われます。
下記画像は Kuriyama R&D Office の2020SSコレクションレポートからの抜粋となりますが、実際にコレクションでもDolce & Gabbanaを始めとする有力ブランドがジャングルやそこに生息する動植物をモチーフとした表現を行ったことが話題を集めており、メガトレンドとファッショントレンドの関係性が表れていました。

まとめ
今回はメガトレンドの詳細をファッショントレンドとの関係性の実例も踏まえて解説しました。様々なトレンドが生まれる中でその背景にあるメガトレンドは何かを考えること、またはメガトレンドをどのようにファッションとして表現するかを考えることがファッションビジネスにおける重要な課題となるため、常に社会やマーケットで今どのような変化が起きているか意識することを心掛けましょう。
次回はメガトレンドに基づいたシーズン別のファッションテーマとも言える「ジェネラルトレンド」について詳しく解説しますので、ぜひそちらもご覧ください。

動画での解説
以下の動画にて、今回の内容をより詳しく解説しています。
※スマートフォン等、端末によっては最大化機能が作動しない場合があります。

Next Trend Close Up 2020
投稿内で紹介した「Next Trend Close Up 2020」の解説動画です。
※スマートフォン等、端末によっては最大化機能が作動しない場合があります。

ファッションビジネス実践マーケティング
01: トレンド分析
02: メガトレンド
03: ジェネラルトレンド
04: コレクショントレンド(準備中)
05: ショップリサーチ(準備中)
06: フィールドマーケティング(準備中)
07: アンケート調査(準備中)
08: グループインタビュー(準備中)
09: オープンデータ(準備中)
10: ブランドポジショニングマップ(準備中)
11: 顧客プロファイル(準備中)
12: 顧客分類(準備中)
13: バリューバランス(準備中)
14: 3C分析(準備中)
15: SWOT分析(準備中)
16: マーケティングの4P(準備中)
17: 商品ライフサイクル(準備中)
18: 顧客年齢とブランド運営(準備中)