【第3回】ジェネラルトレンド ~ファッションビジネス実践マーケティング~
【第3回】ジェネラルトレンド ~ファッションビジネス実践マーケティング~
この連載では「ファッションビジネス実践マーケティング」と題し、商品企画・売場開発のための「4つのトレンド」や、ブランド・売場運営のためのマーケティング手法について、Kuriyama R&D Office のノウハウの一部をご紹介します。
連載は全18回を予定しており、ファッションビジネスにおけるマーケティングについて分かりやすく解説します。各連載は文章・画像での解説に加え、より詳しい内容を解説した動画も掲載しますので、ぜひご覧ください。
ファッションビジネス実践マーケティング
01: トレンド分析
02: メガトレンド
03: ジェネラルトレンド
04: コレクショントレンド(準備中)
05: ショップリサーチ(準備中)
06: フィールドマーケティング(準備中)
07: アンケート調査(準備中)
08: グループインタビュー(準備中)
09: オープンデータ(準備中)
10: ブランドポジショニングマップ(準備中)
11: 顧客プロファイル(準備中)
12: 顧客分類(準備中)
13: バリューバランス(準備中)
14: 3C分析(準備中)
15: SWOT分析(準備中)
16: マーケティングの4P(準備中)
17: 商品ライフサイクル(準備中)
18: 顧客年齢とブランド運営(準備中)
ジェネラルトレンド
前回の講座、第2回「メガトレンド」ではメガトレンドの詳細をファッショントレンドとの関係性の実例も踏まえてご紹介しました。第3回となる今回は、そのメガトレンドを背景としたファッショントレンドである「ジェネラルトレンド」について詳しく解説します。
ジェネラルトレンドとはメガトレンドに基づいたシーズン別のファッションテーマとなる情報であり、
・トレンドブック(対象シーズンの1年~1年半前に提供)
→「Promostyl」「A+A」「Do it Color」「NellyRodi」など
・素材の展示会(主に対象シーズンの1年前に開催)
→「PITTI FILATI」「Première Vision」「MILANO UNICA」「Fashion World Tokyo」など
・インターネット上の情報
→「WGSN」「TRENDS TOP」「Fashion Snoops」など
を始め様々な媒体が存在しており、国内のアパレルメーカーやリテーラーでもシーズンのテーマなどを決める際の参考情報として使用するケースは少なくありません。
ジェネラルトレンドの活用
上記のように様々なジェネラルトレンド情報がある中で、どのようなテーマを選択し、どのように表現すれば良いかを考えることが大きなポイントとなり、そのためにはメガトレンドを理解すること、自分たちの顧客がどのような価値観を持っているのかを分析することが重要となります。
さらに、そこから自分たちのブランド・ショップのコンセプト等とも照らし合わせ、自分たちのブランド・ショップらしさを演出・表現することが、ファッションビジネスにおける企画や販売に携わる人々に求められるスキルの一つとなります。
ジェネラルトレンドからのテーマ設定
では、実際にジェネラルトレンドからどのようにシーズンテーマを設定するのか、「General Direction 2020AW」という資料からご紹介します(本投稿の最後にこの資料の解説動画も掲載していますのでぜひ併せてご覧ください)。
この資料はヨーロッパを中心とした様々なジェネラルトレンド情報を Kuriyama R&D Office で収集・分析し、日本国内向けに再編集したものとなっています。
※対象シーズンの約1年前に出張セミナーやウェビナー形式で取引先様へ情報提供しています。ご興味のある方はお問い合わせください。
例えばカラーの場合、Kuriyama R&D Office では「Intercolor」「JAFCA」「Promostyl」など各国の有力なカラートレンド情報を収集し、上記画像のように色相マップ・色調マップに落とし込んでいます。この作業を毎シーズン行うことにより、前シーズンとの比較でどのようなカラーが増加しているか、ここ数シーズンでカラートレンドがどのように変化しているかなどの傾向を把握でき、テーマを設定する際の貴重な情報となります(一例として、右側の色調マップで見た場合、例年秋冬シーズンはマップ下部の最も明度が低いエリアに集中する傾向にありますが、2020AWシーズンの場合、やや上のオレンジ色の枠で囲われたエリアであるダル系のカラーが増えていることが分かります)。
上記画像は様々なジェネラルトレンドを基に Kuriyama R&D Office で設定した6つのテーマの内の1つである「ART&CRAFT」です。ここで最も重要視されるのは左側で、このテーマの背景にあるメガトレンド的な価値観(環境への配慮からDIYやアップサイクルへの関心が高まり、それらを遊び心を持って取り組むことが好意的に捉えられていること)や関連情報を取り纏めています。右側はこのテーマを表現するイメージ、スタイリング、カラーの提案となっており、上記画像以外にも素材、アイテム、ディティール、服飾雑貨の提案を行っています。
※より詳しい内容は本投稿の最後に掲載している「General Direction 2020AW」の動画をご覧ください。
まとめ
今回はジェネラルトレンドの詳細をシーズンテーマ設定の実例も踏まえて解説しました。このように様々なジェネラルトレンドを収集・分析し、シーズン別や月別のテーマを設定していくことでブランドとしての独自性を表現していくことが可能となりますが、ここで重要となるのは「メガトレンドからジェネラルトレンドに落とし込んでいく」ということです。またこの先も、さらに商品や売場まで落とし込んでいくことになりますが、その際も常にメガトレンド、消費者の価値観が反映されているかを意識し続けなければなりません。
次回はジェネラルトレンドを背景として生まれてくる「コレクショントレンド」について詳しく解説しますので、ぜひそちらもご覧ください。
動画での解説
以下の動画にて、今回の内容をより詳しく解説しています。
※スマートフォン等、端末によっては最大化機能が作動しない場合があります。
General Direction 2020AW
投稿内で紹介した「General Direction 2020AW」の解説動画です。
※こちらの動画は簡易版となっており、取引先様への情報提供時はより詳細な解説を行っています。
※スマートフォン等、端末によっては最大化機能が作動しない場合があります。
ファッションビジネス実践マーケティング
01: トレンド分析
02: メガトレンド
03: ジェネラルトレンド
04: コレクショントレンド(準備中)
05: ショップリサーチ(準備中)
06: フィールドマーケティング(準備中)
07: アンケート調査(準備中)
08: グループインタビュー(準備中)
09: オープンデータ(準備中)
10: ブランドポジショニングマップ(準備中)
11: 顧客プロファイル(準備中)
12: 顧客分類(準備中)
13: バリューバランス(準備中)
14: 3C分析(準備中)
15: SWOT分析(準備中)
16: マーケティングの4P(準備中)
17: 商品ライフサイクル(準備中)
18: 顧客年齢とブランド運営(準備中)